NY Life in Nov.(3) 2017★ セラピューティック・シアター



11月も、気がつけば残り数日。

NYは時折マイナス気温の日になったりと、かなり冬モードに入ってきました。

来週からは、いよいよ期末テスト期間に突入です。(ひゃ==!)

その前に、幾つか書き留めておきたいことを書いておこうかな。


d0167002_12274953.jpg


この秋は、Therapeutic theater(セラピューティック・シアター)の授業の一環として、3つの劇を見る機会がありました。

セラピューティックシアターって何?ーそう思う人は沢山いるはず、、、

日本では残念ながらあまり知られていませんが、海外では(アメリカ以外でも)様々な形態で上演されています。

私がNYにきてから観てきたものを幾つかあげていくと、、、

・人種と偏見をテーマにしたもの
・摂食障害をテーマにしたもの
・レバノンの刑務所で行われた囚人たちによるパフォーマンスVTR
・イスラエルの刑務所で行われた女囚たちによるパフォーマンスVTR
・退役軍人たちによる、戦争体験をベースにしたパフォーマンスVTR   etc

何回かブログにも書いてきましたが、セラピューティック・シアターは普通の劇とは目的が少し違うんですね。

一番違うところは、「人に観てもらう」ということことよりも劇に関わっていく中で、個人がどう変化していったのか?という心的プロセスに焦点が置かれている点。

・劇の練習中に、何が内面に起こっていったのか?
・劇の上演を体験したことで、どんなインパクトがあったのか?
・劇の上演後にどんな変化があったのか?

参加者は劇の役柄を通して自分の中に潜んでいる個人的なテーマに向かい合っていき、ドラマセラピストはすべての過程に一緒に関わっていきます。

ドラマセラピストが一般のディレクターと違う点は、、、

・どうナビゲートしていけば、一番効果的に潜んでいるものを引き出せるのか?

・どう参加者から出てくる激しい感情(怒りや悲しみなども含め)を受け止めて、彼らを安全に守りながらリードしていけるのか?

そういった専門的なトレーニングを受けた上で、劇に携わっている点です。

また、誰に、どのタイミングで、何を表現させることが一番効果的なのか?といった部分を、セラピストとして見つめながらリードしていくのもドラマセラピストの役割です。



d0167002_13335784.jpg

今学期、私たちが観た作品は以下の3作品。

・The Siege

イスラエルの内紛・包囲攻撃作戦がテーマ。
実際に体験している人々が役者として舞台に立ち、英語字幕つきでヘブライ語での上演。


・Occupied territories

ベトナム戦争によるPTSDを持っている父親と、その父親との間に葛藤を持つドラッグ依存症の次女の話がテーマ。

ドラマセラピストの長女が、父親の死後ドラマ化したもの。


・The Birds

老人介護施設(居住型)にいるお年寄りたちによるもの。
自由とは?人生の意味とは?というテーマを、鳥として見つめて描いているもの。


d0167002_14105930.jpg


3作品それぞれ深いテーマで、色々な意味で激しく揺さぶられ、感じたものは多々ありますが、、、

個人的に一番深く心に残っているのは「The Birds」かな。



d0167002_13280250.jpg


脚本を作り、演出などを担当したのはNYUの卒業生ドラマセラピストということもあり、この劇は校内の小劇場で上演されました。

私は最終日の公演を観にいきましたが、100以上ある客席は満席。

舞台には譜面台がおかれ、譜面台は木の枝や花々、水しぶきの模様などで飾られています。

出演者は、頭や体には羽根飾りをつけて、思い思いの鳥に変身して登場。
ほとんどは、車椅子に乗っています。

彼らの後には、メッセンジャーバードと呼ばれる黒い衣装を来た介護人がつき、水を差し出したり、脚本をめくったり、車椅子の向きを変えたりという作業をヘルプ

鳥の王様は冠をつけて登場、学者の鳥は、本をたずさえて登場。
他にも、ラブバードや、シャーマン・バード、白鳥や鳩などなど、、、

マリア教授もキャストの一人としてゲスト出演することになり、
真っ赤なマントをきて登場。

彼らは都会の中にある森の中に住んでいる設定で、人間界のアレコレを鳥の目線から観ながら「まったくねぇ、人間ってねぇ。。。」と、お喋りする毎日。

そんな彼らの森に、ある日迷い込んできたのは初老の夫婦。

「もっと思い通りに生きればよかったのに。」「もう、やり直しはできない」
今までの人生を振り返りながら、夫婦の口から出てくるのは後悔の言葉の数々。

「今からだって遅くない。自由は手に入れられるんだよ」と鳥たち囀りますが、彼らには鳥の言葉は聞こえません。

鳥の王様は、彼らに魔法をかけて鳥の世界に招き入れます。


d0167002_14383449.jpg


鳥たちが、初老の夫婦たちに与える言葉の数々が、もう本当に素晴らしくて、素晴らしくて、そしてとっても可笑しくって、、、

観ながら、泣き笑いしてしまいました。

決められたセリフはあるのだけれど、間違えちゃったり、飛ばしちゃったり、、、

でも、そこで出てくるアドリブの言葉がとっても素敵なんです。

深いんだけれど、ウィットとユーモアと、愛情に溢れていて、、、

そして、とても哲学的であり、示唆に富んでおり、豊かなメッセージばかり。

初老の夫婦に伝えている言葉は、伝えているようでいて、彼らが過去の自分に話しかけている言葉でもあって、、、

セラピューティックシアターは、彼らにとって自分の人生に起きた出来事の全てを「これでよし」と、確認するきっかけになったのでは、、、

彼らの言葉を聞きながら、そんな風に感じました。

私たち観客にも、伝わってくる彼らの思いはハートに響き、、、、

だから、こんなにも深い部分で共感や癒しが起こっていくんだなぁと、そう改めて感じた体験でした。





d0167002_14394744.jpg


車椅子に乗ってはいるけれど、私たちよりずっと自由だなぁ。

そして、その自由さは、不自由さという体験(精神的にも肉体的にも)の中からたどり着いたものなんだろうな。

帰り道、タイトルの「The Birds」が、胸の中でグルグル回転。

ー「鳥」になったあと、人は何を思うんだろう?

ーその思いは、次にどこへ人を向かわせていくんだろう?

ーそこに、どうドラマセラピストは寄り添っていけるんだろう?


ふっと、日本の両親や、インターンシップ先のクライアントさんたちの顔が浮かびました。

ー私は、この経験をどう生かしていけるんだろう?


d0167002_12265835.jpg

今は少しずつ、自分の中で深めていっているプロセスの最中。

そして、いろんなことが同時進行中。

実はセラピューティック・シアターの期末課題の一つは、自己開示劇と呼ばれるパフォーマンスなんです。

が!

う〜ん、、、

今の自分が、どんな風に何をパフォーマンスとして出すんだろう?

自分の中も手探りしながら、プロセスを進めている11月です。



HPはこちらです。
→【
フェリシア* FELICIA Tokyo & New York
あなたが生まれてきた喜びを感じて生きていくために
アカシックリーディング&イシリス33メソッド










































[PR]
by Dorothy-Naomi | 2017-11-26 15:46 | *NY Sketchbook | Comments(0)
<< NY Life in Nov.... NY Life in Nov.... >>