本物の色彩とは、いったいどんな色彩だと思いますか? 魂の持つ本当の美しさが見える世界とは、どんな世界でしょうか? ワヤン・クリッと言われるバリの人形影絵芝居があります。 主に宗教儀式や祭りの余興として演じられているのだそうです。 影絵芝居で使う人形は、観客の前には黒い影として映るもの。 それにもかかわらず、ワヤン・クリッの人形たちは豊かな色で 繊細に作られています。 なぜなのでしょうか? バリの考え方では、あちら側の世界こそが真の世界であり、 魂そのものの持つ真の色彩や美があるのだとのこと。 現生(わたしたち観客側)がいる世界は、本当の意味での 魂の姿や美、色彩は見えないのだという考えがあるのだそうです。 「遠く隔たっていると思われている現生と魂の世界とは、実は本当に 影絵芝居の布一枚の薄さなのかもしれないな...」 デンパサールの民族博物館で、ワヤン・クリッの人形展示を観ながら そんなことを思いました。 最終日のことです。 宿泊していたホテルの隣にあった パシフィカ美術館を訪れました。 まだ午後早い時間だというのに、 館内はしーんと静まり返っています。 スペイン語なまりの英語を話す受付の女性から 切符を買うと、さっそく展示室へと足を進めました。 いくつも展示室が続く広い館内には、誰もいません。 なんと贅沢な! 私たち三人だけの貸切だなんて... 美術館を独り占めできるなんて めったにないこと★ ゆっくりじっくりと見て回ろうか。 家族三人、思い思いのペースで展示室をまわりました。 ふと、ある絵の前で足が止まりました。 宿泊先のホテルの回廊にも複製画がかかって いた絵で、初めて目にしたときから気になって 仕方がなかったのです。 ....本物はここにあったのね。 絵のタイトルは「Legong Dancer」 レゴンダンスを踊る一人の少女の上半身が描かれています。 私は絵の正面に立ち、その少女を見つめました。 すると.... 額の真ん中あたりに、突如キーンとした感覚が走り 思わず目を閉じました。 そして次に目を開けたときに、私の目に映ったのは 絵画ではなかったのです。 信じられないことでした。 絵画の世界そのものが、まるで映画のように 目の前に映し出されていったのです。 いつの間にか絵画のフレームは消え去っており、 映画の世界の中に入り込んでしまったような... なんとも表現できない意識状態に私はいました。 どこかの寺院か王宮の庭に、何人かの少女が裸足になって 手に扇を持ちながらレゴンダンスを踊っています。 何かが行われる大きな儀式の日のようです。 ガムランやジェゴグの音が、大きく鳴り響いています。 観客席の中央には椅子が二つおいてあり、かなり位の 高い男女が二名座っているのが見えました。 踊っている少女の中の一人は ......なんと私です。 私は一心不乱に踊っていました。 神への感謝と畏敬の念をこうして自分の踊りによって 表現できていること... そしてそれを晴れの舞台で大勢の人に観てもらって いること... それに対し、心からの喜びと満足を感じながら 一心不乱に踊っていました。 一体どれくらいの時間、それが続いていたのかは 分かりません。 .....再び、我に返ったときには元の状態と同じように 少女の絵は額の中に収まっていました。 深呼吸を何度か繰り返しながら、ゆっくりと次の部屋へ 歩いていきながら、私の心の中には今までの自分の人生の いくつかのシーンがアルバムの写真をめくるように 思い出されてきました。 世界各国を出張してまわっていた父が、 幼い私たちへとお土産に買ってきた 竹の大きなガムラン。 居間に飾られていたそれを、 でたらめに叩き踊っていたこと。 父の書斎の本棚にあった古い本の中から、 何故だか心惹かれたのが精神世界の本や 宗教に関する本ばかりだったこと。 そしてそれらを一人で読みふけって ばかりいた少女時代のこと。 低学年のころから西洋占星術の専門書を読み 一人でホロスコープを書いていたこと。 目を閉じると見えてくるもの、聞こえる音... 自分で自分をどうしていいのか分からなかったこと。 繰り返し見る夢、偶然ではない出会い..... そして、今ここにこうしているということ。 「そう、すべてはつながっているのです。 人生の中ですべての出来事は、一つの大きな 流れになってつながっているのです。」 ...さいごの展示室まで歩いてきたとき、私は自分の目が 信じられませんでした。 展示室の壁いっぱいにかかっていた絵は 6人の天使の姿★ 「Bali Angels」 バリの豊かな大地と大空を舞う、6人の天使たち。 自分の胸からあふれだすものが、こらえきれなくて 思わず涙がこぼれました。 天使たちは、ずっと私の傍らに寄り添いながら こうしてメッセージを送り続けてくれていたのです。 「ここに今日こうして来ることも、あなたの人生の 流れの中で予定されていたことなのです。 この国の、この場所で、こうしてこの絵をあなたに お見せすることは、あなたへのプレゼントです。 あなたは確かに一つの達成点にまで、自分の歩みを 進めてきたのです。 この先は、自分で切り開いて行く大事な道のりです。 そのことにあなたは、不安や恐れを抱いているのかも しれませんが、それは一切必要ありません。 あなたには、あなたでなくては出来ない大きな仕事を 与えています。 そして、それはあなたに力があるからこそ、私たちは 与えているのです。 今までの人生は第一章でした。 そして、それはここで一つの区切りとなります。 人生の扉が、まるでパーティの開始のようにパーンと これから華やかに開く音を聞いてください。 あなたが心から喜びを見つけ出し、生き生きと輝きながら 生きていく時間が、この先待っているのだということを、 どうぞ知ってください。」 チャネリングで伝わってくるメッセージ。 それらはあたたかく、強く、やさしくて.... 私は涙をとめることができませんでした。 美術館の展示室の外に出ると、広いテラスが広がっていました。 眩しい南国の光と、青々とした緑が目に鮮やかです。 テラスで一足先に休んでいたPartner氏と少年Nは、 屋根の付いた白い籐の椅子に寝そべっています。 こうして私たちが今生で家族でいることも 決して偶然ではありません。 私も反対側の椅子に仰向けに寝そべって、 バリの青い空を眺めました。 ....魂の本当の色彩と美。 あちらの世界の色彩とは、もしかしたら こんな輝きをいうのかもしれない...... 「天使が導いてくれた魂の旅」 この旅行にタイトルをつけるとしたら、 私はそう名付けたいと思います。 そして私は、きっと生涯この旅を忘れることは ないでしょう...... ★一人芝居とドールアートの世界⇒【The Moon Light Grove~月あかりの森】 ★Twitter ID⇒@NaomiTMLG ★関連サイトはコチラです↓ 心の旅人 スピリチュアリズム(spiritualism) 魂、心(こころ、ココロ) 日常の小さなできごとを愛する生活 Thank you for coming! この小さな屋根裏部屋にいらして頂き、ありがとうございました(^^) ポチッと以下のボタンを押していただければ、大変嬉しく思います♪ にほんブログ村
by Dorothy-Naomi
| 2011-09-03 15:03
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